全紙ピンホールカメラ


印画紙を感光媒体とする場合は、作品の大きさと同じネガを作成できるカメラを使わなければなりません。全紙の作品を作成するためカメラも全紙の印画紙が入るものを作成しました。また、1枚しか撮影出来ないと不便なので撮影後印画紙が交換出来るようにしました。


大きさ:幅72×高さ62×奥行35cm

焦点距離:34cm

ピンホール直径:0.40mm

撮影領域:42×52cm

F値:F850

露光時間:30分〜2時間位

画角:110度(対角線)


カメラキャップ(シャッター兼用)を外したところ。

カメラ内部、印画紙ホルダーは全紙の入っていた箱を使用しています。


印画紙ホルダー底部は接着してあり、ホルダーを開いた状態(上記写真の状態)で印画紙を挿入し挟むようになっています。

上蓋:この写真ではちょっと見にくいのですが、蓋は2重にしてあり光が入りにくくなっています。また、その間にスポンジを詰め遮光効果を高めています。

写真右側に未撮影の印画紙を入れておきます。左側は撮影済みの印画紙を入れておきます。


カメラ上部(上蓋)にあるボックスは、撮影後、手をカメラ内部に入れ印画紙を交換するためのものです。


印画紙ホルダー底部は、折れ曲がるようになっており、印画紙をセットしやすくしています。


横に取り付けてある銀色の棒は、カメラを縦位置にしたときに傾かないように付けてあります。

カメラを縦位置にしたところ。


カメラの上蓋を取る際、カメラ底部に付けた板を外側に出し、この上に足を乗せてカメラが持ち上がらないようにして上蓋をとります。


カメラ上部と側面(左右)に画角を示すテープを貼りました。これを目安にフレーミングを決め撮影します。

写真は、印画紙を取り替える部分を付ける前のものです(改造前)。


テスト撮影1

左側がネガで右がポジです。テーブルの上に水張りして撮影しています。

露出を間違えて2時間露光してしまったため現像液に入れると10〜20秒で像が濃くなってしまい、結果として現像ムラも出てしまいました。

上記写真ネガ中央部の白く囲んだ部分をアップで撮影したもの

ポジ中央部をアップで撮影したもの


テスト撮影2

左側がネガで右がポジです。テーブルの上に水張りして撮影しています。

天気が非常に良く陽の当たっているところとそうで無いところで露光の差が大きく出てしまいました。コントラストの非常に強い状態です。

上記写真ネガ中央部の白く囲んだ部分をアップで撮影したもの

ポジ中央部をアップで撮影したもの


テスト撮影を終えて

今回のテスト撮影は2号印画紙で撮影したものを2号印画紙に反転したのですが、天気が良く陽が強い時にはコントラストが強くなりすぎる傾向にあります。1号印画紙ないしは多階調印画紙の使用を考える必要がありそうです。ただし、そのような状況になることを考慮に入れ、撮影する場所を選ぶことも可能だと思います。太陽光線が強い場合には、直射日光の当たっていない対象物を撮影するとか、うす曇りの日に撮影するとかすれば何とかなりそうです。



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