ハリアナ写真の「ボケ」

ハリアナ写真のボケは、原理的に解像度が低いことにより生じるもので、レンズ使用のカメラのボケとは少し異なる。

普通のカメラで撮影する場合でも、ボケは撮影技術として重要なものです。いくつかの撮影・表現方法がありますが、主なものは次の2つが代表される。

1.主となる被写体(例えば、花とか人物とか)にピントを合わせ、前後のものをぼかして被写体を際立たせる。この場合、標準から望遠レンズを使用して、絞りを開いて被写界深度を小さくして撮影する。または、周辺をぼかすフィルターを使用したり、フィルターの周辺にワセリンを塗ったり、レンズにストッキングを被せ中央部に穴を開けたもので撮影したりする。

2.特に人物(ポートレート)で柔らかな感じを出すために、ソフトフォーカスレンズや専用のフィルターを使用して撮影する。


ハリアナ写真の場合には、解像度が低いために全体にボケが生じる。普通の写真のように被写体を際立たせることは出来ないかというとそうでもない。遠くの看板の字は解像度が低いとはっきり写らず読み取ることは出来ないが、近くの被写体は小さなものでも同じ解像度でかなり鮮明に写しだされる。


遠近感を利用して、主たる被写体を近くに配置することで際立たせることが可能である。






ハリアナ写真のボケ(解像度の低さ)

1.レンズを使用していないので基本的にパンフォーカス。
2.ハリアナを大きくすると、解像度は低下する。
3.ハリアナを小さくすると、光の回折現象で解像度は低下する。
4.焦点距離により、最適なハリアナの大きさが決まる。
5.焦点距離を長くすると、最適なハリアナの孔径が大きくなる。


普通のカメラのボケ(ピントからのズレ)

1.レンズの焦点の前後でピントがずれることによりボケを生じます。
2.焦点の前後でも、被写界深度(ボケを生じない範囲)がある。
3.絞りを小さくすると、被写界深度が大きくなる。
4.焦点距離が短いと、被写界深度が大きくなる。



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