ハリアナ写真の「露光補正」

これについては、それぞれの方で、独特の工夫により行われている。適当に感(経験)で決めるという方もあれば、露出計により測光して決めるという方もいる。

露出計を使って測光すれば万全なようだが、ハリアナの場合、長時間露光が多く、実際の色とちょっと異なる色になる。

これは、フィルムの特性を考えなければなりません。


フィルムは、ある程度明るさのある場所で、普通のカメラでの撮影を基本に作られています。通常の撮影では、光の量に比例して像が濃くなるが、極端に暗いところでの長時間撮影(1秒以上)や非常に速いシャッタースピード(1/10000秒以上)においては、この法則(相反則)が成り立たない。これを相反則不規という。カラーの場合は、各色により相反則不規の程度が異なるためカラーバランスが崩れ、色が実際と異なってあらわれる。各フィルムメーカーから、それぞれのフィルムについてのデータが出されている。それを見るとカラーフィルムにおいては30秒くらいまでは補正は必要ないとされているが、実際に撮影してみると数秒でも実際の色と異なる。特にポラロイドフィルムにおいては、経験上非常に大きい。

これを補正するには、カラーフィルムの場合、色温度調整フィルターを使用して、露出を補正することが必要になる。補正の仕方はフィルムにより異なるのでフィルム毎にデータを確認しなければならない。

しかし、このカラーバランスの崩れもハリアナ写真では1つの効果(表現)として考えても良いとしたい。また、デジタル化してコンピュータに取り込んで鑑賞する場合には、フォトレタッチソフトにより色を補正することもできる。


ポラロイドで5秒程度で撮影したもの(左)を、フォトレタッチソフトで補正したもの(右)。

ポラロイドで1時間程度で撮影したもの(左)を、フォトレタッチソフトで補正したもの(右)。



カラーネガフィルムでは、撮影時にある程度(2段階)の露出の違はプリント時に補正できる。

カラーバランスはともかく、露出については多少オーバーにする方が良いと思う。



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