内面反射の影響(軟調なネガ)


感光体として印画紙を使用する場合、フィルムに比べコントラストが高くなり硬調なネガやポジになってしまうため、軟調な印画紙(2号印画紙)を使用したり、現像液を軟調に仕上がるものを使用したり、撮影時に明暗の差が少なくなるように夕方や曇りの日に行ったりと様々な工夫がなされています。

ここでは、内面反射によるかぶりを利用して軟調なネガの作成をご紹介します。普通のカメラと同様にピンホールカメラも内面での反射によるかぶりを防止するため内部を黒く塗装したり、黒い布(または紙)を貼ったりします。

内面反射によるかぶりがどの程度のものでどのように画像に影響するかテストしてみました。実際におこなってみますと結構内面反射によるかぶりが生じることがわかりました。しかし、全体的なかぶりにより画像の濃度差が小さくなり、結果的に軟調なネガとなることがわかりました。ポジに反転してみると内面反射を防止するようにしたカメラで撮影したものより、階調が良いポジを得ることができました。


内部を黒く塗装したカメラ

内部を塗装しないカメラ

高コントラストで、周辺光量の低下が著しい。
かなり硬調なネガ。

内面反射により、全体的にかぶりが見られる。
白いところがなく軟調なネガ。


       ポジに反転          

左右下の隅と左の樹木の左側はつぶれている。
中央部は白飛びの状態。

左右下の隅と左の樹木の左側もつぶれていない。
中央部も白飛びはしていない。




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